
この本は、「負け犬の遠吠え」が、かつてベストセラーとなった 酒井順子さんの新刊。
私は彼女の本が、昔から好き。
彼女は女心の細かい機微をすくい取るのが、すこぶる上手い。それを巧みな文章で表現しきる。
「負け犬の遠吠え」を初めて読んだときは、もう「参った」の一言でしかなかった。
まぁ、ここまで 女性の微妙なキモチを丁寧に、かつユーモラスに描くなぁ~と。
私は24歳で「オバハン」と言われる職場に勤めてたので、この「負け犬」の心情が痛いすぎるくらいに分かる。
よくぞ、ここまで書いてくれたっ! 遠くから拍手をおくった。
おっと、前置きが長くなったが、そんな彼女が久々に世に出した「負け犬」ネタが、この儒教と負け犬
日本のみならず、お隣の韓国や中国(上海)に足を運び、「なぜ、かの地で晩婚化が進むのか」について考察している。
この2国の晩婚事情は、「あぁ、日本と同じね」と頷ける部分と、「へぇ~」と目を見張る部分とがそれぞれ混在していて、非常に興味深かった。
しかし、私が最も「うーん、そうかもぉ~」と唸ったことは、別にあった。
日本・韓国・中国。言語が異なるこの3つの国に共通していることが、実は一つある。
漢文の授業で、あなたも習ったことがあるだろう。
「子、曰く・・・」から始まる文章を。
そう、孔子が説いた「儒教」。
日・韓・中は、儒教が、広く流布したという国なのだ。
儒教は宗教ではなく、思想である。
現在の日本で、普通に暮らしている限り、儒教を意識する機会は殆どない。
しかし、意識にも昇らないほど、儒教は日本の生活や心情に染み込んでいるらしい。
「目上の人を立てる」もそうだし、「男性に従うべし」もしかり。
で、その儒教が日本で大きく発展したのは、江戸時代。
儒教をベースとする「女子に対する心構え」を説いた「女大学」的な書籍が、この封建社会で多数、世に出たそうだ。
まぁ、それはひたすら「男性に従うべし。」という内容。
「女性はアタマが悪い。だから男性の言うことを聞きなさい」的なことまで、書かれているあるそうな。
今となっては時代錯誤な感もする。が、実はその思想は、現在も脈々と受け継がれているのではなかろうか。
儒教の影響を無視できないと指摘する酒井さん。著書の中で、こんな風に語っている。
「日本女性はどこかで(男性)に引っ張ってもらいたい、そんな願望が見え隠れする」
「夫を立てなくてはいけないと、無意識にセーブしている部分がある」
胸がチクッと痛んだ。手をあててみると、思うところがあるわ、あるわ。
私たち夫婦は、フェアな関係であると思う。
彼から「女性はこうあるべき・・」てなことを、押し付けられた記憶はない。
ただ、私の中には、確実に存在するのだ。
「リードしてもらいたい」「女性はなんだかんだ言っても、可愛げがなきゃ」
「(男性には)どこか、自分より尊敬する存在であってほしい」
そんなキモチが、である。
いくらキャリアウーマンでバリバリ世の中を渡っていても、男女間においては、日本の女性はどこかで「3歩下がる」精神を隠し持っている気がするのだ。
かの勝間和代さんも結婚していた時は、カーテンの色さえ一人で決められなかったと、著書に書いていた。
私も勝間さんも、男女雇用均等法が始まって数年で就職したアラフォー世代。
母親世代には、「男尊女卑」の思想がまだまだ色濃かった。
まだまだ「女性は1歩引くもの」という思想が、母から子供へと、根強く刷り込まれているかもしれない。
う~む
ただ、世代が若くなるにつれて、さらに薄まっていくかもしれない。
「男に舐められたらダメ!」「女性は、男性に手厚く扱われるもの!」
男性に一歩も譲らず、自分の欲求を主張する上海女性の姿もまた、著書に描かれていた。
娘がお年頃になった頃には、そんな風に日本女性が変わるのも面白いかもね。







