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子供を産んでしまった・・・そう思い詰めたとき

2009年5月26日 火曜日

つい先日、娘が2歳の誕生日を迎えた。

ケーキの上にのっかった2本のローソクに、フーフーと息を吹きかける 愛らしい口元。
手をたたきながら、ハッピーバースデーを歌う娘の姿をみると、感無量になる。

あぁ、手のひらで頭がガッシリつかめた赤ちゃんが、こんなに成長した。
そして、ふっと あの時の、あの思いが 脳裏をかすめた。




「子供を産んでしまった・・・どうしよう」

心の底から沸き上がる恐怖に、立ちすくんでしまったことがあった。
それは、娘が産まれて3日くらい経ったときのこと。

今から思えば、帝王切開後と、それに続く母乳の張り(母乳が詰まり、胸を撫ぜたたけでも、信じられないくらい痛みが走る)のダブル激痛で、産後ウツに陥ってたのかもしれない。

出産までの2ヶ月間、私は切迫早産で入院していた。

赤ちゃんの無事を祈る傍らで、ベットに縛られる入院生活があまりに苦痛だったため、1日でも早い退院を望み、その後の赤ちゃんとの生活を思い描く余裕すら無かった。

産後すぐは、手術後の激痛で、これまた何も考えられなかった。

術後の激痛も幾分か和らぎ、夢にまでみた退院があと数日となった頃。
急に実感が沸いてきたのだ。

 「これから、赤ちゃんを一人前に育てていかなきゃいけないんだ」

背筋がゾクっとした。

赤ちゃんがイヤとかそういうのではなく、人生をかけて、1人の人間を育てていかなければいけない、その責任感がずしっと現実味を帯びてきたという感じだった。

いつの間にか、産むことがゴールになってしまっただけに、この当たり前の事実にさえ、打ちのめされてしまった。

 どうしよう・・・
 こんな私が、きちんと育てていくことが出来るのだろうか・・・??


結婚は、幕を閉じることが出来る。
が、子供を産んでしまったら、親という役割から降りることは一生出来ない。

もう2度と引き返すことのない列車が、動き始めた感覚だった。

子供を産んだ直後は、ただただ嬉しくて、世界は暖かいピンクに包まれるものだと思っていた。

こんな風に思ってしまう私は何かがおかしいのかと、落ち込んで、むせび泣いた。
(だいぶ後になって、有名なアメリカのコラムニストが、私と同じ思いを味わったという記事をみた。ほっとした。その方は男性だったけど)

そんな母親の思いが伝わったのか、その日、娘はミルクを飲まなくなったそう。
私のせいだ・・・ごめんなさい、また深く落ち込んだ。




産後すぐはそんな感じで、消え入りそうな精神状態だった。
幸い、体の痛みが薄れるにつれ、気持ちも持ち直すことが出来た。

退院する頃には、赤ちゃんとの新しい生活にワクワクする気分も湧いてきた。
子供を育てることへの責任、特に世間が求める母親への要求の重さは、今でも時折感じるが、「産まなきゃ良かった・・・」と心底思いつめたのは、この時だけ。

私が足をぶつけ、「いたぁい」と身をよじっていると、ナデナデしてくれる2歳の娘。
思わずムギュッと抱きしめる。娘の甘い香りがする。

「産まれてきてくれて、ありがとう」

まだまだひよっこママだけど、あまり気負わず、娘と共に成長していきたいな。

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