意外に難しい 小さな手助け
先日バスに乗っていたときのことです。
カートを引いた年配の女性が乗ってきたので、席を譲りました。
「ありがとうございます~。ほんまにありがとうございます!」
バス中に響く声で、何度もお礼を言って下さいました。
「いえいえ、そんな~」と、身をよじって恐縮しましたが。
しばらく後のバス停で、杖をついた男性が乗ってきたのですが、その年配の女性は立ち上がって、ナント! 席を譲ってあげたのです。
「どうぞ、どうぞ~」と響き渡る声をかけながら。
隣で座る若い女性(しかも優先座席に)は居心地が悪そうでした。
ここからは私の推測ですが。
日本人は、電車やバスで席をスマートに譲るのが苦手な人が多いとよく言われます。どこか気恥ずかしさがあったり、年配扱いしていいのかと躊躇してしまったり、と。
「席を譲ってくれるとありがたいんだよ。どんどんやっていいんだよ」
その年配の女性は、他の年輩のひとたちのためにも、行動をためらう普通の人たちに向けて、大声でアピールしたのではないでしょうか。
隣にいた若い女性も、悪気があって優先座席に居座っていたとは思えません。
スマホに夢中になっていたこともあり、立ち上がるタイミングを逃したのかもしれませんし。
そもそも、席を譲る行為に慣れていないのかもしれません。
小さな手助けは簡単に出来そうだけど、意外に勇気がいることではないでしょうか?
いきなり、見知らぬ人に手を差し伸べるのが敷居が高いのであれば。
- 落ちているゴミを一つゴミ箱に入れる
- 乱れた陳列棚を少しだけでも整える など
そんな行為を、少しずつ積み重ねていけばいいのではないでしょうか。
誰もみていない 誰も褒めてくれない
でも、自分の小さな歴史に刻み込まれていく
躊躇する気持ちを超えて行動に変えていくことが、自分を勇者へと導いてくれるでしょう。