当たり前の「おかしさ」に気づく
『武士は武士、百姓は百姓と決めちまっている幕府がある限り、何も変わらねぇだ。』
『もっと根本から正さねぇと』
NHK大河ドラマ「青天を衝け」にて、以前の放送回で、若き渋沢栄一が吐いたセリフです。
日米修好通商条約の締結後、続々と異国人が日本にやってくる中で、日本の行く末を案じる人々の中から「攘夷(外国を追い払うこと)」の機運が高まっていました。
栄一の兄貴分も攘夷を支持し、やむえず開国を容認した幕府の老中への暗殺を企んでました。それに対し、幕吏(幕府の役人)を斬ったところで、現状は何も変わらないと訴える栄一です。
これって、すごいなぁと思いました。
すでに二百年以上続いた武士をトップとする階級制度。その階級制度はすでに疑う余地のない前提のなかで、百姓、職人、商人は暮らしてきたのでしょう。
意識することさえない、当たり前すぎることを「おかしい」と気づくことは難しいものです。周りの人たちがとにかく外国人を目の敵にするなかで、倒すべき敵は違う、と主張しました。
数百年後の日本に住む私たち。現在の仕組みのなかで、不満がありながらも、そんなものだと受け入れている事は多々あると思います。そして、人それぞれの心の中にもあります。
ただ、自分ひとりでは気づくのが難しいのも事実です。弊社で提供しているコーチングでは、個人レベルの「当たり前」「前提」を見直すサポートをしていますが。
一度、自分にとって「当たり前すぎて、おかしいとすら思わなかったことは何か?」を振り返ってみてもいいかもしれません。