やつめうなぎのごとく
「うまくいけば、何かの拍子にそのほんの一部だけが思い出せる。あくまで突発的に、小さな覗き穴から壁の向こうを覗くみたいにね。そこにある光景のほんの一画しか見ることはできない。」
村上春樹さんの短編小説集「女のいない男たち」で、このセリフを目にした瞬間。
背中がゾゾーっと走りました。
なぜなら、私が時々起こる現象がそっくりそのまま描かれていたからです。
このセリフの背景は、「前世がやつめうなぎだった」という女性が、何かの拍子にやつめうなぎだった頃の光景が見えるということですが。
私の場合は、前世が見えるというのではありません(見えたこともないし)。
何の脈絡もなく突然、どこかにありそうな光景が一面に広がり、その光景を観ている時の感覚がわ~っと身体で蘇ってくるのです。
もしかしたら、私の記憶に昇ってこない過去の光景が、何かのスイッチで蘇ったのでしょうか。
が、いつどこで観たのかは全く見当つきません。
辻褄が合わないものもあるので、いつか眠りの中で観たものかもしれませんが。
映画のワンカットのごとく切り取られた光景に、今まさに居るかの感覚に突然おそわれ、「これってどこだろう・・」と思うまもなく過ぎ去っていくのがです。
「やつめうなぎは、とてもやつめうなぎ的なことを考えるのよ。やつめうなぎ的な主題を、やつめうなぎ的な文脈で。でもそれを私たちの言葉に置き換えることはできない。」
小説の中の女性はこうツブヤキますが、まさに、その時の自分?(だと思うけど)の文脈で何かを考えてる、それは何となく感じるのですが、言語におりてこないのですね。
うぅ、もどかしいです。
これって、一体何なんだろう・・・??
知りたい! そんな気持ちを片隅に置きながらも、不思議を不思議なままにしている今日この頃です。