SKYキャッスルに観る 受験と親子愛

久々に、ドハマリしてしまいました。
最初の15話くらいまでは、時間があるときに少しずつ観ていたのですが。
途中より沼にハマって止まらなくなり、最終話まで突っ走ってしまったのです。

韓国の熾烈な受験戦争と親子愛を描いたドラマ
SKYキャッスル

富裕層が集まる、SKYキャッスルというゲートシティが舞台。
登場する母親たちは、子供をソウル医大に入学させるために、あの手この手を尽くします。
塾に通わせ、さらには受験に必要な内申対策のために、入試コーディネーターと呼ばれる人に大金を払ったりと・・・。

日本でも受験を舞台にした作品はいくつかありますが、本ドラマで描かれた受験戦争に比べると、マンガ「ニ月の勝者」「ドラゴン桜」は、まだまだマイルドと言えるでしょう。

ただ、日本の受験のなかでも熾烈と言われる「中学受験」を経た身からすると、母親がここまで過熱になってしまうのも、わかる気がします。

主人公ソジンは、進学校の中でも成績No.1であるイェソの母です。
ソジンとイェソはソウル医大を目指すため、およそ15年にわたって、二人三脚で努力を続けてきました。

ソウル医大受験を確実にするために、凄腕の入試コーディネーター(日本にもあるのかな?)を雇ったことで、次々と起こる困難に巻き込まれていくのです。

さらに、イェソの将来を揺るがす大きな事件が起こります。知らぬフリを押し通せば、ソウル医大の合格は確約されますが、それにはある人の将来を潰すことになってしまい・・・。

イェソの将来と良心の呵責で、親子ともども追い詰められてきます。

観ているだけの立場なら、こう思っていたでしょう。

「有名大学合格というブランドを得られるなら、何をしてもいいのか」
「ソウル医大に通う親になって、周りから賞賛されたいのか」
「なんて、愚かな人間たちなのか。」

誇張も入っているでしょうが、なりふり構わず有名医大に合格させたい親たちの姿は、ときに滑稽に見えます。

では、そこまでして、有名大学合格にこだわるのでしょうか。
親の見栄だけでしょうか。

そもそも、親は何よりも願っているのです。
幸せに生きてほしい。
健やかで明るい将来を過ごしてほしいと・・・。

本来なら子供の幸せを考える、その延長上に「有名大学合格」があるのですが。
子供の将来のための「手段」が、いつの間にか「目的に」すり替わっていくのでした。

スポンジの上に塗りたくされた、生クリームなどのデコラティブな部分だけが、「ケーキ」に見えてしまうように。
いくら目に見えやすい部分を豪華に飾っても、スポンジという土台が崩れてしまえば、ケーキは台無しです。

私も中学受験では1年ほどの年月を伴走しました。
受験直前、子どもが少し体調を崩したときは焦ったものでした。

子供の体調を心配するのは当然のことながら、
「ここまできて、これまでの努力を無駄にしたくない」
そんな気持ちもこみ上げてきました。

1年ちょっとでもそう思うのですから、15年も努力を続けたソジン・イェソ親子の月日の重さは、比べようもありません。

それでも、です。
最後の最後で、親は子供にとっての本当の幸せを選ばざるえないのです。

傍目からは、有名大学合格に血眼とみられる親たちの姿も
ギラギラとした部分を剥ぎ取れば、ただただ「子どもたちを愛する親」だったのです。
そのことに、少しホッとしましたし。

さらに、ドラマでは特に言及がなかったのですが。
長女イェソ、ソジンの次女イェビンの中に、まっとうな良心が育まれていたこと

それは、親にとっても何よりも嬉しいのではないでしょうか。

本国・韓国では社会現象になるほどの人気を博した作品なのも頷けます。
噂通り、中毒性が高い作品なので、お時間があるときにどうぞ。