男が女を愛する時

1994年公開の映画 「男が女を愛する時」

以前、弊社でクライアントさん向けに発行するニュースレターにて、この映画を紹介したことがありました。人を支援するというのはどういうことなのかが描かれていて、特にコーチやカウンセラー、セラピストの方におすすめです。

アルコール依存症の妻をメグ・ライアンが演じ、妻と子供たちを懸命に支える夫をアンディ・ガルシアが演じています。

何の不自由もなく暮らしているようにみえても、妻はひそかに苦しみを抱いています。アルコールはそこから逃れる手段でした。夫が妻の異変に気づいたとき、すでにアルコール依存症の泥沼にハマっていたのです。

夫は何とか、妻を立ち直らせろうとします。妻を治療施設に預け、妻に代わって仕事と子育てに奮闘するのです。

一見、非の打ち所がない健気な夫にみえます。しかし、男性によくありがちなのですが、「どう捉えているのか」が見え隠れするのです。

劇中、こんなセリフがありました。
「問題を解決しよう」
これが全てを物語っています。

夫はあくまでも、「妻の問題」として捉えていました。そして問題を解決しようと、発奮したのです。

夫が懸命に関われば関わるほど、妻は如何ともしがたい距離を感じるのですが・・・

うーん、そこじゃないっ!!
妻が本当に望んでいたのは・・・女性ならお分かりだと思います。

「気持ちを理解してほしい」
「自分の全てを受け入れてほしい。」

妻は涙ながらに、夫に訴えます。
しかし夫からすると、不可解なのですね。
こんなに一生懸命やっているのに、まだ不満なのかと。

助言したがる男
共感してほしい女

うぬぬ、男女の永遠のテーマですね。

夫婦の危機は、もはや修復不可能の寸前まで行きました。しかし、転機が訪れたのです。

アルコール依存症大国のアメリカでは、依存症患者たちの会合「AA」が盛んに行われています。妻もそこに参加するようになりました。AAは本人だけでなく家族同士の会合もあるのですが、そこに夫も参加することに。

藁をもつかむ思いでしょう、夫も必死でした。
AA独特の雰囲気に飲み込まれ、最初は硬い表情で一言も口を開かなかった夫でした。しかし、参加を重ねるにつれ、夫にも変化の兆しが現れたのです。

妻の問題ではなく、二人の問題だと気づきました。
そして、最も大切なこと・・・
救わなくてはいけないのは妻だけでなく、夫である自分自身もなのです。

この映画は、支援する側と支援される側の関係性に大きな示唆を与えてくれます。

そういう理由で、コーチやカウンセラーには非常にオススメな作品なのですが。いかんせん古い映画です。
レンタルしようにも困難かもしれませんが・・・でも一見の価値はありますよ!

若き日のメグ・ライアン、とてもチャーミングです