自分の弱みを握るのはGoogle

鏡の前で人は、ありのままの自分でいられるでしょうか。

いや、違いますよね。

私も反射的にですが、目を大きめに見開いたり口角を上げたりと、「見たい自分」を演出します。

自分にすらそうです。他人の前では、「見られたい自分」をさらに意識してふるまうでしょう。

無防備な自分をさらけ出す場所

それは、何処にもないのでしょうか。

 

以前、海外のIT出会い系サービスの幹部が語った、こんな記事を読んだことがあります。

「自分の理想の相手は、実はインターネットが知っている。」

出会い系サービスを登録する際、希望する異性のスペックを入力します。

そのサービスに登録する異性のプロフィールを、会員はネット上で自由に閲覧することが出来るそうですが。

自分が希望する異性像と、実際にクリックする相手とが違う場合が多々あるようです。

例えば30代前半男性を希望と登録したのに、実際にプロフィール閲覧回数が多いのは40代以上の男性だとか。

ネットに向かい合うと、どうも無意識が働くようです。

サービス提供側もさりげなく、40代以上の男性もリコメンドするとのことでした。

 

現代人の神器、パソコンやスマートフォンの前では無防備な自分をさらけ出すのかもしれません。

私たちはgoogleの検索窓に、SNSのいいね!に、足あとを残し続けています。

もしくはyahooニュースで、ついクリックしてしまう記事もそうでしょうね。

恐らく自分でも把握できない、自分の趣味嗜好や特性がダダ漏れです。

訳が分からないほど、ひとつのニュースを夢中で追いかけたり。

ゴシップが嫌いと公言しても、ネットの陰に隠れて、ゲスな記事から目が離せなかったり。

「その人の本棚を見れば、その人が分かる」

かつてよく耳にした言葉ですが。

今やネット活動がそれに代わり、自分に関する膨大なビックデータを握っているとすれば・・・。

「自分を知りたければ、Googleに聞け」になるのでしょうか。

 

興味関心、欲望、誰にも聞けないアノコト・・・世界中の声が日々蓄積されるインターネット。

今後はますます、ビックデータの応用が活発化するでしょう。

AIは冷徹なほどフェアです。

2016年アメリカ大統領選は、世界中が息を呑んで動向を見守りましたが。

多くの専門家が「ヒラリー勝利」を予測するなか、インド発のAIはインターネットで飛び交う情報を解析し、「トランプ勝利」を告げました。結果は言うまでもないでしょう。

今後の社会で、AIによる人間の営みを解析が進むと、どうなるでしょうか。

AIの見えざる手により、人が把握できる範囲を超えた、人間の生々しい姿が露わになるかもしれません。

それが、人間にとって福音になるかどうかは分かりませんが・・・