めったにスカッとは無いからこそ
街なかで、こんな光景は見かけませんか?
お客さんが、お店の人に何かを訴えかけている・・・
いや、そんな穏やかなもんじゃありません。
内容はよく分からないが、延々とガナリたててます。
客とはいえ、その執拗さにはあまりにも目に余るのです。
店員さんがあまりにも気の毒で、、、こんな時に救世主が現れるってあるでしょうか・・・。
娘が好きでよく観てるのが、フジテレビ系列の番組「痛快TV スカッとジャパン」
視聴者から寄せられた体験談の中から、採用されたものを再現ドラマで紹介します。
冒頭のようなお店や、学校や病院、女性ばかりの職場などが舞台です。
主人公が、誰かからの理不尽な仕打ちについて語り始めます。
このスカッとジャパン、一度、再現ドラマをちら見してしまうと、もう止まりません。
オチは分かっているものの、この目で見ないと気がすまないのです。
実際の視聴率は分かりませんが、私の周りでは意外に観てる人がいます。
そして、私も本当に秀逸だなぁと関心してるのです。
なぜかって。
このスカッとジャパンでは、再現ドラマの主人公を痛めつける相手が、最後はギャフンと言わされます。
いや~なヤツであればあるほど、頭を垂れる姿にスカッとします。
ただし、です。
ここが、この番組のポイントだと思うのですが。
弱い立場の主人公が勇気を出して、相手に立ち向かうのであれば・・・ここまで人気は出たかどうか分かりません。
悪役さえもひれ伏す相手だったり、時には純粋な子供、さらに知恵が働くばあちゃんだったりしますが。
再現ドラマにはよく、イヤなヤツを成敗してくれる第三者が現れるのです。
時に、どうしようもなく理不尽な目にさらされることはあります。
上司など、相手の立場が上であるならば、不条理を飲み込むケースが多いでしょう。
そんなの我慢してないで、相手にいいなよと赤の他人は気軽に言いますが
明日もあさっても顔を合わせるとなると、角が立つのを恐れ、なかなか言えないのが現状です。
もし主人公が堂々と立ち向かう姿だけを紹介したなら、どうでしょうか?
それができない自分への自己嫌悪が走り、来週は違うチャンネルを選ぶかもしれません。
当番組では、第三者が救いの手を差し伸べ、主人公の擁護をしてくれます。
あるときは悪役自身が自滅し、屈辱に身悶えることもあります。
実話を紹介するとはいえ、こんな胸がすくこと、日常では滅多にありませんが。
ファンタジーとして楽しめます。
理不尽を受ける側が手を下すこともなく、相手がとっちめられるのですから。
かつての長寿番組「水戸黄門」
悪事の限りを尽くした者も、葵の御紋を目にしただけで、ハハァ~とひざまづくのが定番でした。
お決まりながらも痛快で、溜飲を下げたものです。
日本人には・・・いや、人間全般なのかもしれませんが。
水戸黄門を求めるメンタリティが、どこかに在るのでしょうか。