当たり前をスカッと壊すもの
人々そして社会の価値観は、足音を立てずに変化をきざむのでしょうか。
「あぁ結婚当初から、夫と二人で家事を分担してるので、それは別に・・・。」
育児と仕事の両立が大変・・・古くて新しい話題になったときのことです。
「旦那さんは、家事は手伝ってくれるの?」
さりげなく尋ねた私の質問に対して、私よりもかなり若い彼女の答えが、ソレでした。。
私と同じ世代からも、同じ答えが返ってくることもあります。
しかし伝わる音色が違うのです。
「うちは、家事も手伝ってくれる人なのよ、助かるわ~。」
助かるわ~の響きが大きめなのは、家事は主に女性が担当するもの - その前提が大きく乗っかるせいでしょうか。
冒頭の彼女から伝わったのは、シンプルな音色です。
「えっ、旦那も(家事)やりますけど、何か?」
私の質問を、即座に旧世代ならではに変えました。
うーん、なんだろう・・・この既視感に満ちた風景は。
私の子育てが始まったのは、10年前。
特に話し合うこともなく、おむつ替えや風呂に入れたり、保育園の送り迎えなど、子育ては全て夫婦二人でやってました。
「あぁ、旦那も色々と(子育て)してくれるよ~。」
特に声高に言うこともなく、ごく普通のこととして捉えてましたし、同世代の反応もあっさりしてました。
ただ、少し前の世代からの反応はやや違いがあります。
「今どきの旦那さんは、そこまでやるのか・・・。」
ほぼ子育ては妻が担当していた人たち。理解は示すものの、モヤモヤが拭いきれないようです。
そんな私も「家事」となると、勝手が違います。
結婚当初から家事分担を話し合うこともなく、むしろ、そんな発想が無かったという方がより正解でしょうか。
家事も夫婦が分担するのは当然な人たちからすると、古めかしさが漂うかもしれませんが
当事者の私には、別にやらされ感や不公平感もありません。
家事は主に妻が担当するもの - この価値観に異議を感じたことがないからです。
さらに未来、娘が結婚する頃は、より男女間の役割があいまいかもしれません。
いや結婚制度自体が、今とは違うものに変わっているでしょう。
今からでは予想もつかないほど新しい価値観に触れたとき、私はどう思うのでしょうか。
「今どきの若いものは・・・」
「私の若い頃は、◯◯だったのにぃ~。」
いつの時代も聞くボヤキを口にするのでしょうか。
「へぇぇぇ~。こんな考え方や価値観も出てきたのかぁ~。」
同意や共感はともかく、柔軟に面白がることが出来るのでしょうか。
何十年も石化した価値観、スカッと壊してくれるのが・・・怖いような、楽しみのような気持ちです。