大学名なんて、どうでもいい・・・本当?

「大学なんて出てても意味がない」
「大学名なんて、どうでもいい」

時々ですが、高らかとそう言い張る人に出会います。

ただし、そんな発言をするのは、大学を出てる人ばかりですが・・・しかも有名どころの。

確かに学歴や学校名が目に見えて影響するのは、就職活動のときだけかもしれません。

その方々の業績からすると、大学出ても出なくても一緒じゃん・・と思えるのでしょう

ただ人生は、目には見えない、意識からは削ぎ落とされたもので埋め尽くされています。

その微妙な蓄積が、知らず知らずに影響を与えていると言えないでしょうか。

「大学は出てるけど・・・短大だったんです。」

学歴を訊かれたときに、私が答えるセリフ。

大学と答えると、今は概ね4大卒を思い浮かべるでしょう。

私が入学した当時、女性は短期大学進学の方がメインでした。今は短大への進学が少なく、短大自体のレベルも下がってると聞きます。

まぁ、特に短大卒だから、と卑屈に感じる機会はありませんが。

それでもかすかに感じます。

「大学は出てるけど・・・短大だったんです。」
「あぁ・・・。」

そう、あぁ・・・と相手から漏れた発声のトーン、頬にあたる微かな風圧を。

風圧といっても、目には見づらいチリが舞うレベルの弱いものです。

相手から、あからさまな「ジャッジ」や「マウンティング」を感じることは特にありません。

これが「東大です。」となると、どうでしょうか。

「おぉ!」「すごい!」

はからずとも、アノ風圧を浴び続けることになるでしょう。

とはいえ、一瞬のおどろきが去ったあとは、もとの無風に戻ります。

私も聞いたときは「すごーい~」な反応をするものの
「えっ、東大卒!? あっ、前にも聞いたよね~。」とすっかり忘れていることもありますから。

意識する間もないほど一瞬の かすかな反応ですが

あなどれないのは・・・チリも積もれば山となると言いように、長い人生のなかでは微妙な影響をもたらすのです。

ここでは分かりやすく、学歴の例を挙げましたが。

へぇーー、すごいねぇーー。そうなんだーーー。

一般的に羨ましさの対象となるものは、他にもたくさん考えられるでしょうし。

逆に、卑下されやすい対象となるものもあります

無防備に発する眼差しは一瞬で、発した本人もすぐに忘れることが殆どです。

しかし、発した以上はエネルギーとして相手に届きます。

かすかな風圧の一回一回は、意識する間もなく、記憶の底に沈んでいきますが。

長い年月のチリツモは、決して侮れないのではないでしょうか。