【コーチ32】「コーチ=◯◯」の定義

「コーチとは、どういうお仕事ですか?」

名刺を渡した人にこう尋ねられた経験は、プロコーチの方なら幾度となくあるでしょう。

 

  • なりたい自分になることをサポートする仕事です
  • 質問によって自発的行動を促す仕事です
  • 夢実現のサポーターです

 

このように、「コーチとは◯◯です」という風に、何らかの定義をしてます。

何気なく説明している人が多いですが、これは非常に深いところと密接につながっているのです。

そのことについて、今から説明していきます。

 

コーチとは◯◯です - この定義が持つ意味

 

「コーチとは◯◯です」という定義は、コーチ=〇〇という方程式に当てはまるものですね。

コーチ=〇〇という方程式は、何を表すものだと思いますか?

これは、あなたのアイデンティティであったり、あなたのコーチとしてのアイデンティティを表します。

アイデンティティ、日本語でいうと、私は何者か? に対する答えになります。

 

このことがなぜ重要かと言いますと・・・

どのようなアイデンティティを持つかによって、自分の行動であったり、コーチングセッションのやり方、質問のやり方、クライアントの成果、結果に影響を与えるからです。

 

「コーチとは、クライアントの目標達成をサポートする。」

これは、私が初期の頃に使っていた定義です。スクールで習った通り、そのまま名刺にも書いてました。

 

それだけがコーチの役割だと疑問にすら思わなかった頃に、こんな出来事がありました。

あるクライアントが、半年かけて目標を達成したのです。

一緒に喜びを分かち合おうと思った矢先に、冷水を浴びせられました

「思ったより、嬉しくなかった」と。

 

その時のショックな気持ちは、今もアリアリと思い浮かびます。

 

「コーチとは、クライアントの目標達成をサポートする。」というのは、今でも多くのコーチが使っている定義の一つでしょう。

もちろん間違いではなく、コーチという仕事の重要な側面の一つだとも言えます。

しかし、これだけをプロコーチの定義としてしまったら、どんなことが起こりうるでしょうか?

 

私がよく聞くのは、コーチングがうまくいくときと、うまくいかないときに分かれてしまう例です。

目標がはっきりして、そこに向かって進もうという意欲があるときは、非常にコーチングがうまくいきます。

しかし当初の目標が達成したら、コーチングの目的は果たしたので、そこでおしまいということになりかねません。

 

また、なかなか目標が達成できないクライアントもいます。

別の観点からのコーチングも可能ですが、コーチもクライアントも「目標達成」だけに焦点が当たっていると、そこで留まってしまうのです。

コーチ=〇〇という定義だけでは現状に対応できなくなったときに、コーチ自身も葛藤します。

 

このように、「コーチとは◯◯です」という定義は、ご自身のコーチングそのものに関わる大事な言葉です。

また、コーチ自身も何度となく口に出す言葉なので、良くも悪くもアファーメーション(自己暗示)にもなります。

 

よくあるコーチングの定義をそのまま使うではなく、自分自身が心から「そうだ」と言えるオリジナルの定義が必要だと思うようになってきました。

私なりに見出したオリジナルの定義については、次回お伝えします。