【コーチ35】アイデンティティが変わった事例1

 

ここ最近の3つの記事で、「コーチ=◯◯」つまり、コーチとしてのアイデンティティをどのように持つかについてお話してきました。

どんなアイデンティティを持つかによって、周りの反応や仕事の成果がガラリと変わることがあります。

今回と次回にわたり、私の知人とクライアントさんの事例をご紹介します。

 

「モノを売る人」というかつてのアイデンティティを変えた営業マン

 

一つ目は、私の知人の例です。

その知人は、目標達成に向けて頑張っているのに、なかなか成績が上がらない営業マンでした。

彼は仕事を続けている中で、ある価値観を無意識に持っていたことに気が付きました。

「営業マンだから、売り込まなければならない」

それまで彼は、いかにセールススキルを磨くか、相手に納得して頂けるかに腐心していたそうです。

 

では、相手に何が伝わっていたのでしょうか?

「結局は、売り込みだけだったんだ。」そのことに彼は気づいたのです。

 

彼は本来、口達者ではなく、口数は少なめですが、とても誠実な人柄を持つ方です。

そして彼自身、人一倍お客様を大切に思っていました。

是が非でも売上を上げなければと思う一方で、そのお客様に合った商品をお届けしたいという思いも強く、その葛藤がブレーキとなっていたのです。

 

コーチングや心理学を学んでいたこともあり、アイデンティティが行動や成果に影響を与えることは理解していました。

そこで「私はモノを売る人だ」から、「私はお客さんに喜んでもらえるサポートをするパートナーだ」へとアイデンティティを変えました。

 

アイデンティティを変えると、言葉や行動に影響を及ぼします。

まず買ってもらうことより、信頼関係を築くことを一番に思うようになりました。

具体的には、自分からセールストークをするのではなく、お客さんに質問するスタイルに変わったのです。

 

それだけではありません。

そのお客様に本当に必要なものを考え、自社にはない商品や、ときにはライバル会社の商品さえも紹介するようになりました。

彼の誠実な態度によって、信頼を得られるようになったのです。

その結果として、うだつの上がらないセールスマンから、TOPセールスマンへと昇りつめました。

 

彼にとってアイデンティティが変わるということは

営業マンは売り込まなくてはいけない という思い込みから解放されることでもあったのです。

 

次回は、アイデンティティを変えることで、プロコーチとしての意識がシフトした例をお伝えします。