【エッセイ31】私は上手くもないし、下手でもない
文章を書くのが苦手だと思っていたとき、他の人の文章を見て「あぁ、この人の文章は上手だなぁ。それに比べて自分は・・・」とよく落ち込んでいました。
自分の書く文章を下手だと思いこんでいたのですね。
だから、文章を書こうとすると「自分は下手くそだ」という考えに直面することになるので、書くことがイヤになる。
だから書くのが苦手だとますます思い込み、書くことから遠ざかろうとする。
でもあるとき、「自分は本当はもっと上手に書けるはずなのに」と思っていたことに初めて気づいたんです。
「もっと上手に書けるはずだ」と思っているのに、実際はその理想の基準に達していない。
だから「自分は下手くそだ」という思い込む。
でも「下手くそだと認めたくない」。
なんのことはない。
「もっと上手に書けるはずだ」→「なのに、あの人たちのように上手に書けない」→「自分は下手くそだ」→「でも、下手くそだと認めたくない」→「もっと上手に書けるはずだ」→以下ループ
すべて思い込みのループの中で一人相撲を取って苦しんでいたんですね。
それがわかったとき、私の書く文章は上手いわけでもなく、かといって下手くそでもない、私が書く文章がただそこにあるだけなんだ。
その気づきに至ったのです。
そして、今の自分のあるがままを表現することに抵抗がなくなったとき、文章が流れるように表現され始めたのです。
「私は上手くもないし、下手でもない」