【エッセイ39】精神の筋トレ
最近、スクワットを毎日するようになりました。
元々、腰痛防止で始めたのですが、脚の筋肉が鍛えられたのと気候が良くなったので、早朝、ランニングまで始めました。
さて、筋肉は、バーベルなどの負荷をかけることで鍛えられますが、トレーニング中はしんどいし、苦痛も感じます。
しかし、しんどくなければ筋肉もつかず、トレーニングにはなりません。
もちろん、トレーニングばかりしていると、筋肉に過大な負荷がかかり、体を痛めてしまうことにもなります。
だから、負荷をかけて筋繊維を壊したあとは、休息を取って筋肉が回復する時間を持つこともまた大切です。
精神を鍛えることは、筋肉を鍛えることと似ています。
精神的に困難なことを体験することで、精神的な筋肉のようなものが養われ、強靭になる。
このとき、筋肉にとってのバーベルように、精神を鍛える負荷となるのが、味わいにくい感情です。
味わいやすい、受け取りやすい感情は、その人にとって負荷となりません。
むしろ、味わいにくい、受け入れがたい感情と、反発したり、抵抗したりすることなく、
どこまで共にいることができるかによって、精神的な筋肉が鍛えられるのではないかと思います。
多くの人にとっては、怒りや焦り、嫉妬、不安、恐れといった感情と共にいることが精神を鍛えることになるでしょう。
(人によっては、喜びと共にいるということがトレーニングになる場合もあります)
日常生活を送っていると、特に人間関係を通して、様々な感情を体験します。
受け入れやすい感情もあれば、そうでない感情もあるでしょう。
この受け入れがたい感情がやってきたとき、拒絶せず否定せず、ただあるがままその感情と共にいる。
このときはじめて、精神が鍛えられるのかもしれません。