【エッセイ56】動けない時期の価値は
コーチングは、達成したい目標や解決したい課題があるときに受けるという方が多いでしょう。
目標や課題は何もせずに自然と叶ったり、解決したりということは無く、それに向かって行動することは必須です。
けれども、いつも前向きに行動できるときばかりではなく、どうしても意欲がわかない時期というのもあるでしょう。
前向きに生きるのが良いとされるこの社会において、こういう時期に差し掛かると焦りや不安に襲われます。
しかし、この時期だからこそ得られるものがあり、この時期だからこそ体験できることがあります。
それは何でしょうか?
前向きに行動できない時期、動けない時期の価値は、立ち止まることそのものにあります。
立ち止まるからこそ、今の自分を振り返り、見つめ直すことができます。
車を運転しているときに、異音が聞こえたとしましょう。
異音の元がタイヤなのか、ボンネットなのか、はたまた別のところにあるのかは、調べてみないとわかりません。
でも、運転したままでは調べることは不可能です。
路肩に止めて、タイヤを見て回り、ボンネットを開けて、エンジンやラジエーターをチェックする。
問題が見つかれば、自分で対処するか人に頼むかを考える。
それらは全て、一旦立ち止まらないとできないのです。
動きたくなくなる時期は、一日の中でも、一週間の中でも、一ヶ月の中でも起きてきます。
そんなとき、ほんのちょっと立ち止まることを自分に許してあげることで、燃え尽きて本当に動かなくなることが防げるでしょう。
あなたにとって動けない時期の価値は何でしょうか?