【エッセイ75】目標は○○である
「『目標』って、本当はなんだと思う?」
「目標」というものについて、世の中には色んな考えがあります。
多くの自己啓発書には、目標設定は必須項目のように書かれています。
一方で、目標を立てずに流れに身を任せようという主旨の本もあります。
さて一体、どちらの考え方が正しいのでしょうか?
私自身は、実は両方の考え方にハマったことがあります。
学生時代から会社員時代は、目標達成至上主義とも言える人間でした。
目標を持たずに生きている人を見て、まるで根無し草のようだと
正直、相手を小馬鹿にしていたときもありました。(全くもって恥ずかしい限りです)
しかし、自分自身が仕事で燃え尽きてしまったことで、
今度は一転して、オセロの色が反転するように、
目標設定や目標達成を否定する生き方に変わりました。
どちらの考え方にも思いっきりハマったことで、
今は目標を立てることと立てないことのどちらにも
メリット・デメリットがあると分かるようになりました。
さて、以前、
「目標を立てるほうがいいのか、それとも、立てないほうがいいのか?」
と、どっちが正しくて、どっちが間違っているか? という考えに囚われていたとき、
ある先輩経営者から、こんなことを教えてもらったことがあります。
それは、
「目標というのは、道具なんだよ。赤木くん。その道具が役に立つ場面なら使えばいいし、そうでなければ使わなければいい」
という言葉でした。
それを聞いたとき、肩の力がフッと抜けたことを今もよく覚えています。
放っておくと、私達は注意力散漫になりがちです。
けれども目標があると、レーザービームのように焦点を絞ることができます。
自分の持っているエネルギーを効果的に対象に向けることができ、集中して取り組むことができるので、物事を実現しやすくなります。
ただし、集中するということは、ある意味、当面必要でない情報をシャットアウトするということでもあるので、思いがけない出会いといった偶然の産物を減らしてしまう可能性もあります。
まだまだ目標という道具を自由自在に使いこなせるまでには至りませんが、少しずつでも熟達していきたいと思う今日このごろです。