【エッセイ82】光陰矢の如しとマインドフルネス
6月になりました。今年ももうすぐ半年になろうとしています。
「光陰矢のごとし」という諺を年々実感する日々です。
そういえば、歳を取ると時間が経つのが早いと感じることはありませんか?
私だけがそう感じているのかと思っていたら、そうではないようで、同じように思った人が一つの説を発表していました。19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案した説で「ジャネーの法則」と言うようです。
ウィキペディアから引用すると、
「50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。」とあります。
なるほど。確かに、小さいころは一日が長く感じましたね(特に嫌いな授業の時間は(笑))
もちろん、何かに夢中になって取り組んでいるときも、時間があっという間に経つ感覚があるので、一概にこの法則だけですべてを説明できるとは言えません。
が、なんとなく過ごしていても、夢中になって取り組んでいても、いずれにせよ、あっという間に時間が過ぎてしまうのなら、一つ一つの出来事を漫然とではなく、意識的に取り組み、充実したものにしたいと思うのではないでしょうか。
意識的に取り組むとは、「今、ここに」意識を向けて取り組むこと。
最近よく使われる言葉だと、「マインドフルネス」に取り組む、ということです。
マインドフルネスと聞くと、何か、じっと座って瞑想するイメージがあるかもしれません。
それも間違いではないでしょうが、マインドフルネスの本質は、今取り組んでいることに100%意識を向けることであって、座っているか動いているかは基本的には関係ありません。
人によっては、意識的に取り組むと、スピードが遅くなって、生産性が落ちるのではと心配するかもしれません。
ですが、やってみると分かりますが、集中力が増し、焦る気持ちが消えるので、ゆったりとした気持ちになるでしょう。
仕事を早く片づけたいと思うとき、その奥には、ゆったりとリラックスした時間を過ごしたいという願望があるように思います。
ならば、ゆったりとリラックスした気持ちで仕事にも取り組むことができたら、起きている時間のほとんどが穏やかさと共にいることができるでしょう。
もちろん、そう思ったからすぐにできるというわけではありませんが、「今、ここ」に意識を向けて取り組むことは、まさに、取り組む価値のあることだと思います。
「今日、あなたは何に意識的に取り組みますか?」