【エッセイ83】リアルに「視野が広がる」を体験すると

トレーニングジムに通って丸2年になります。

個人経営なので、トレーナーがいつもマンツーマンで指導してくれる贅沢なジムです。

そのジムにあったのが、コレ ↑


動いている物体を見る「動体視力」を養うビジョントレーニングのためのマシーンです。

ランダムに点灯する赤いランプを30秒間に何回押せるかを計測するのですが、これがなかなか難しいけど、面白い!

最初のうちは、赤いランプを「どこだ、どこだ?」と探しながら押していたのですが、それだとどうしても反応速度が遅くなる。

で、どうしたら反応速度が上がるのか? と、トレーナーから教えてもらったコツは、「顔を動かさないこと」

首から上は動かさないように固定し、全体を俯瞰するように眺め、ランプがついた箇所に素早く手を差し出す。

このとき、目線も一つ一つのランプを追いかけず、常に全体を俯瞰しながらすると、最初のうちは30秒間に40回ほどしか押せなかったのが、ここ最近は60回前後を平均して出すことができるようになりました。

よく「視野を広くする」という言葉が、仕事で例えとして使われますが、実際に「視野が広い」という感覚を体験できたのは、長年生きてきてこれが初めてでした。

そして、仕事の場面などで「視野を広く持て」と言われても、中々それができない理由も自分なりに分かった気がしました。

視線を全体が見えるように固定し、俯瞰すると、確かに全体は見えるのですが、視野の端っこのほうは、ぼんやりとなんとなく見えている状態になります。

視野の端っこに焦点を合わせると、そこはハッキリと見えますが、そうすると、他が視野に入らなくなる。

全体がぼんやりと見えている状態は、なんとなく変化が起きているんだけど、それが何かはハッキリしない。

そのハッキリしない感覚がイヤで、何が起きているかをしっかりと把握しようとすると、逆にそこにしか焦点が当たらないので、全体が見えなくなる。

もちろん人によっては、このぼんやりとだけど全体が見えている状態でいることが苦にならない、むしろ得意だという方もいるでしょう。ですが、何が起きているのかを細部まで把握したいという人にとっては、全体がぼんやりと見えているだけの状態はストレスに感じるかもしれません。

このマシーンを経験したことで、ぼんやりと全体を見るということを日常で意識してするようになりました。

すると、面白いことに頭が緩むというか、頭の回転スピードがちょっと緩やかになる感じなんですね。逆に言うと、普段は無意識に何かにグッと集中して、頭の回転が上がっているので、集中が途切れるとドッと疲れるということが多かったように思います。

視野を広げたり、逆に狭めて集中したりということがより柔軟にできるようになればいいですね。