こんにちは。プロコーチの赤木広紀(あかぎひろき)と申します。 わたしは2001年に独立してから20年間、プロコーチとして企業家、ビジネスマン、専門家に対してコーチングを提供してきました。 同時にプロコーチを育成するメンタ […]
ふと手に取ったコーヒーカップの冷たい感触にヒロはオフィスの時計がとうに11時を回っていたことに初めて気が付いた。
ヒロは再び精力的に仕事に向き合うようになっていた。季節風邪のようにヒロを悩ませた、あの不明瞭な不安感のこともここしばらくはすっかり忘れていた。
セミナーのモチベーションが続かないんですよ…. ヒロはあの日のあの企業家の言葉が忘れられなかった。
「その人の求める答えはすべてその人の中にある」 このたった一行の言葉が、ヒロの心を動かした。
ヒロがミヤモトに導かれて連れていかれたのは、駅前の喧騒から少し離れた、水路の流れる閑静な街だった。
「ごめん、またせたな」 手洗いから戻ってきたミヤモトの声に、不思議な雰囲気の紳士に見とれていたヒロは我に返った。
バーでミヤモトとコーチングについて話してから、ヒロの心の中にこれからの道を照らす希望の灯りのようなものが生まれた。
ヒロはこの日、環状線の車窓から、窓の外を流れる街の景色を眺めていた。申し込みをしていたコーチングスクールの説明会会場に向かっていたのだ。
ヒロがコーチングスクールで学び始めて2週間が経った。「やあ!ヒロ、お待たせ!」声のする方に振り返るとミヤモトがこちらに走ってくる姿が見えた。