クライアントインタビュー

Client Interview

クライアントインタビューVol.17 ~ 草場信夫さん

チェンジングフォワード協会 代表

三菱電機、および三菱電機のIT子会社に 36年間勤務。
製品開発、システム構築に従事した後、0からビジネスを立ち上げ、導入していただいた1,500以上の導入企業の方の笑顔と成長に支えていただきながら、自分自身も課長、部長、事業部長と成長させていただきました。
再雇用で悩み 59歳で退社。

現在、会社生活時代に得た、コーチングスキル、人脈を活かし、チェンジングフォワード協会を主催、設立し活動中。
コーチングを通じて、クライアントの方が描く、緑いっぱいの台地"グリーンフィールド(草場)"に、人生の種まきを一緒にするお手伝いをさせていただいています。

技術士(情報工学)、第二種電気工事士、米国PMI認定PMP (プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)、システムアナリスト(高度情報処理技術者)

クライアントインタビュー

クライアント: 草場 信夫(くさば のぶお)さん

インタビューアー: 赤木広紀

選択肢は本当に2つしかないのだろうか?と自問自答していました

早速ですが、現在の活動を教えてもらえますか?

今は、プロコーチとして活動しています。
59歳のときに、36年間勤めていた会社を60歳の定年退職日より9ヵ月早く辞め、活動しています。

お勤めされているときから、今後の人生を考えておられたということですか?
何かきっかけがあったのですか?

60歳から再雇用で働いている方に話を聞いてみたことがきっかけでしたね。

「(今の会社に再雇用で働くことを)どうして決めたのですか?」と。
「ちゃんと考えてなかったのだけど・・・」
「家にいるか、再雇用か? と考えたら、まぁ再雇用だよね」
「だって、家にいたら、かみさんから怒られるからな~」
そんな答えが返ってきたのが、結構ショックでした。

60歳代をどう生きるかをちゃんと考えた上での決断であれば、再雇用も家にいるもありです。
しかし、実際には、流されるまま再雇用で働いている方が多いなと思いました。

選択肢は本当に2つしかないのだろうか?と自問自答しておりました。

60歳から再雇用で働くことに違和感を抱いていたのですね。

今思うと、若気の至りでしょうが、私自身、これまでバリバリと働いてきて、給料以上の成果を出していると自分では思っていました。

50歳を過ぎた頃から、果たして今、給料以上の成果を出せているのだろうかと、俯瞰して自分を見るようになりました。

このまま役職定年、定年退職、そして再雇用されたとき、会社に対して一体何ができるのだろう? お役に立てるのだろうか?

そして、58歳。
60歳の定年前に会社を辞めるのか、このまま60歳の定年まで、そして、60歳で再雇用になり65歳まで、同じ会社で勤め続けるかと迷っていた時期でもあります。
その時期から「今後、自分がどうしていきたいのか」をじっくりと考えはじめました。

人に役立つ仕事で今後も働き続けたい・・・
そう考えたときに、再雇用は、やはり違うなぁと違和感が出てきたのです。

そして、偶然、コーチングと出会いました。

人生のコーチって何? よくわからないまま、コーチングを受けてみることに

ではその、草場さんがコーチングと出会ったきっかけを教えてもらえますか?

コーチをやっている友達がいて、彼らからコーチングを受けてみないかと誘われたのがきっかけです。

コーチングを知ったのは、そのときが初めてだったのですか?

はい。テニスなどスポーツのコーチならわかりますが、人生のコーチって何?
何を教えてくれるのだろうか?
よくわからないまま、3回ほどコーチングを受けてみることにしたのです。

「今後、自分がどうしていきたいのか」と考えていた時期でしたから、コーチングで何かこれから自分が進む道を整理できるのではないかな…という思いがありました。

その方から初めてコーチングセッションを受けた体験は覚えていますか?

1回終わって、えっ、と戸惑いました。

戸惑ったというと?

コーチングというとコーチが私に必要なことを教えてくれるというイメージがありました。

しかし、あれ、今後、自分がどうしていったらよいのか、何も教えてくれなかったな、と拍子抜けしました。

期待したものと違ったのですね。
それでも、実際に学んで、現在、プロコーチとして活動されているということは、コーチングのどこが良かったのでしょうか?

自分の意志で、アクションプランを決め、「自分がセミナーを主催する」と宣言できたことです。
実際に、3回のコーチングが終わった2ヵ月後にセミナーを主催できたことは、自分の中でも大きな出来事でした。

でも実は、3回のコーチングが終わっても、コーチングってどういうものなのかが、まだ掴みきれていませんでした。
けれども、背中を押されて、実際にアクションを起こすことができたときにコーチングのパワーを体感できました。

ちなみに、どういう内容のセミナーを開催されたのですか?

60歳以降の生き方を考えよう、という内容です。

私は今まで、会社の看板で、セミナーの講師は何度もしてきました。
でも、今回はじめて、会社の看板なしでセミナーを主催しました。
一般の方に応募をかけ、それを見てセミナーを申し込んで下さった方がいる。
喜びと共に、今までとは全く違う体験ができました。

そのきっかけが、コーチングだったということです。

会社の看板なしに、一個人としてセミナー講師を初めてされた感想はいかがでしたか?

会社で副業が禁止されていることもあり無料のセミナーでした。
それでも、最初は申し込みがなかなかありませんでした。
今考えれば、当たり前ですよね。

最終的には、いろいろな方のご協力により、9名の方が来てくれました。
本当にうれしかったです。

2時間、夢中になってコーチングスキルを使ったワークショップをセミナー講師として行いました。

ご自身でセミナーを主催することで、新しい体験ができたのですね。

一人では出来ないこともたくさんあって、すでに独立している方に、自分の独立までのお話をしていただくなど、仲間にいろいろと助けてもらいました。

そして、なんと言っても、セミナーに参加してくださった方の背中を少しだけ押してあげることができたことがとても大きな収穫でした。

私が背中を押してもらったように、50歳代の人たちの背中を押すことができるのではないか

クライアントとしてコーチングを受け、一個人としてセミナーを主催した事が最初のキッカケだった訳ですね。
それから、ご自身ももっとコーチングを学ぼう、会社を辞めて、プロコーチになろうと思われた理由は何でしょう?

定年後をどう生きるのかは、自分自身で50歳代のうちに考えたほうがよい。 そのお手伝いをしたい。
それが、私の今後の人生で社会に貢献できることの一つだと思ったからです。

変わりたいのに変われない人
自分はこれでよいのだと思い込んで変わらない人
そんな50歳代の人たちを周りに見てきました。

私がコーチングによって、背中を押してもらったように、私もコーチングのスキルを学びプロコーチとして、50歳代の人たちの背中を押すことができるのではないか。

それがコーチングを学び、会社を辞めて、プロコーチになろうと思った理由です。

ちなみに、私(赤木)を知ったきっかけは何だったのでしょうか?

プロコーチを始めてから、これから自分がプロコーチとしてやっていくためには、自分自身もコーチをつけなくてはいけないと思ったのです。
自分自身がコーチをつけ、クライアントとして、目標を達成する経験が必要ではないか、と。

私も駆け出しのコーチの頃、同じ理由でコーチをつけましたね。

まずは何人かのコーチに体験コーチングをお願いして、私に合うコーチを探すことにしました。

男性にしようか、女性にしようか、年下・年上がよいのか・・・。
本やインターネットで調べながら、実際には5人の方から体験コーチングを受けました。

その中の一人に、私がいたと。

はい、そうですね。

たまたま「コーチングハンドブック」という本を読んでいました。
その本の内容が、まさに自分がやろうとしているコーチングだな、と。

その本の後書きに、赤木さんのお名前がありました。
それが、赤木さんの体験コーチングを申し込んだきっかけです。

5名のコーチの中から、私を選んで下さった理由を教えてもらってもよいですか?

まず、男女という意味だと、女性のコーチはダメだと思ったのです。
自分が格好をつけてしまうから(笑)

同じ男性として、その気持ちはよく分かります(笑)

赤木さんの体験コーチングを受けた後、感想を書かせて頂きました。
「ブレイクスルーや大きな変容を期待していたけれど、それはありませんでした」と、大変失礼ながら率直にお伝えしました。
それに対して、「正直な気持ちをお書きくださりありがとうございます。」と返事がきました。

どういう返事が、私から返ってくると思ったのですか?

ある意味、挑発的な感想でもあるので、言い訳的な回答が来るのかと思ったのです。
しかし、きちんと受け止めて下さいました。

クライアントさんの立場に立ったら、大きな変化を望むというのは、自然なことだと思いますよ。
同時に、そういう体験をするかどうかは、タイミングや偶然による要素が多いのも事実です。

そうですね。
今は、そう思えます。

それから実際に私との継続コーチングが始まったのですが、受けてみての感想はいかがでしたか?

「あなたが必要とする答えはあなたの中にある」ということを大事にして、常に対応して下さっている感じがします。

道に迷った時「草場さんはどうしたいのでしたっけ?」と、私のミッションを確認してくれます。
そして、私を信用して対応してくださっていると実感しています。

ありがとうございます

しかし、最初からそう感じていたのではありません。
むしろ、「本当? どこまで信用しているのだろう?」と少し疑っていましたから。

えっ、そうだったのですか。

徐々に安心感を覚えるようになりましたね。

赤木さんのコーチングは劇薬ではありません

私のコーチングの特徴はどんなものだと思いますか?

そうですね。何事にも両面で見る方だと思います。

物事の良い面だけでなく悪い面も。
光だけでなく影、影だけでなく光という風に両面を着目されるので、こういうモノの見方はよいなぁと感じています。

ありがとうございます。ちなみに、どんな方が赤木のコーチングが役に立つと思いますか?

赤木さんのコーチングは劇薬ではありません。

うちに秘めた熱いものを持っているが表せない人や、うまく自分の強みを出していない/出し切れていない人の秘めた力をゆっくりと癒やして、引き出していくコーチングです。

じわりじわりと温めて、その中で気持よく変化していく感じですね。

逆に、劇薬でないと動かない人には向いていません。

今日明日の話をするよりも、長い目でみて自分の人生を、という方にオススメだと思います。

私からコーチングを受けることにより、草場さん自身、プロコーチとして、何か変化がありましたか?

自分のコーチングが変わってきました。
自分のクライアントさんへの接し方が少しずつですが、変わって来たのです。

自分のクライアントさんを信じるだけでなく、委ねるようになったことが大きな変化です。

赤木さんからコーチングを受ける中で、赤木さんから委ねられている自分を感じており、その感覚を自分がコーチングをする際にも大事にしています。

草場さんのクライアントさんには、どういう体験や変化があったのですか?

クライアントさんに、楽に話していただけるようになりました。

最初はどうしても、クライアントさんは、コーチの期待に応えなくてはいけない、そうなりがちです。

せっかくコーチングをしてもらっているから、この時間で頑張ってアクションプランを立てなくてはいけないとか、ただ話していたのではダメで、頑張らないといけないのかな、と。

そうクライアントが思うのは、コーチに責任があることに気が付いたのです。
コーチが期待すればするほど、クライアントさんも無理に期待に応えようとしていたのではないかと思います。
コーチが良い意味で期待しないで、クライアントさんに委ねることができると、クライアントさんは自由に考えて、楽に話していただけるようになりました。

そして、クライアントさんが、自然な会話の中から、自分の課題に気づいて、自ら動くようになったのです。

確かに、コーチが頑張れば頑張るほど、クライアントさんも頑張って成果を出さなくては! となってきますよね。

はい。クライアントさんがアクションプランを頑張ってひねり出すようになってきますね。
来月までに、無理やりでもコーチの期待に応えるためにがんばります! というように。
本当は、自分がやりたいこと、自分の心の声ではないかもしれないのにね。

クライアントさんは、誰のためにコーチングを受けているのかが、これでは分かりませんよね。

本当にそうなのです。
コーチの期待が、クライアントさんに無理な期待を与えていたのだと思います。

よい人生だったなと思える生き方をしたいですね

最後に、草場さんのビジョンや今後の目標を教えていただけますか?

よい人生だったなと思える生き方をしたいですね。
そのためにも、私自身、60歳からの第二の人生も目標を持って生きてい行きたいと思っています。

そして、私のコーチングが、主に50歳代の方々にとって、定年後の事も含めて会社以外の人生をちゃんと考える機会になればよいなと思います。

自分の名前である”草場”と自分の想いから発想した、「グリーンフィールド」にも、その思いを込めています。

一緒に第二の人生を思い描いて、一緒に第二の人生の種まきをお手伝いさせて頂きたい。
周りの人や家族が、自分が豊かにしてきた「グリーンフィールド」に集まってこられたならよいな、と。

その輪が広がることで、また新しい世界が出来ていけばよいなと思っています。

そのためにも、クライアントの人数を追うのではなく、一人ひとりときちんと向き合っていきたいと思っています。
一人ひとりときちんと向き合えるようなコーチングができる、それが社会貢献につながると思っています。

プロコーチ活動以外にも、積極的に取り組んでいらっしゃいますよね。

はい。
新規ビジネスの開拓、情報システムを使ったシニアの活性化、家庭介護の課題解決などのお手伝いをさせていただいております。

私は、一人暮らしの親の実家に、音声で電話をかけることのできるテレビ電話や異常を知るための見守りカメラを設置して、親との物理的な距離を縮めることを模索しています。

こうした私自身の経験が、少しでもお役に立つことが出来ればと思っています。

自分の親は、まだ介護の段階ではありません。
しかし、いつ介護が必要になるかは分かりませんし、自分自身も必要となる日が来ます。
今のうちに、様々な輪をつくっておきたいですね。

コミュニティも運営されていますよね。

会社生活のころから、私の名前を冠した "草場会" という会を主催させていただいております。
22年前に私が担当させて頂いたプロジェクトでご一緒させていただいたお客様 N氏とのご縁で、人が人を呼んで広がり、今も続けさせていただいている会です。

年3、4回、上野にあるN氏のご自宅で、毎回30名ほどの方が集まるホームパーティを主催しています。

草場会の方たちとは、公私ともに大変お世話になっており、私の人生にとってとても大切な集まりになっています。
最近は、ご夫婦での参加、ご子息を連れての参加なども増えています。
草場会を安心して話のできる場として認識いただいている証と喜んでおります。

ただ、今は新型コロナ渦のため、残念ながら休止中です。
早く再開できることを心待ちにしています。

そうですね。
コロナ禍が収まって、リアルで集まれる機会が早くできるといいですね。

これからも、コーチングや、ボランティア活動、コミュニティ作りなど、新しいことに挑戦していきながら、たくさんの「グリーンフィールド」作りのお手伝いさせていただきたいと思っています。
欲張りですかねぇ(笑)。

この目標の実現のため、これからも赤木さんとのコーチングの時間を大切にして行きたいと思っています。
赤木さん、これからもよろしくお願いいたします。

こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。

インタビューを終えて

「コーチングによって、背中を押してもらったように、私もコーチングのスキルを学びプロコーチとして、50歳代の人たちの背中を押すことができたら」

そう、お話し下さった草場さん。

定年後を、本当に心から望む人生を送って欲しい。

穏やかに話される草場さんの言葉の端々に熱いものを感じました。

人生100年時代を迎えるからこそ、第2の人生をどう生きるかを真剣に考えることが、これからますます求められると思います。

これからも、コーチングやボランティア活動、そして、コミュニティを通して、多くのシニアの方々が充実した人生を送るサポートをしていってください。

応援しています!

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